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  1. 富山県議会 2021-11-24
    令和3年県土整備農林水産委員会 開催日: 2021-11-24


    取得元: 富山県議会公式サイト
    最終取得日: 2023-05-14
    ↓ 最初のヒットへ(全 0 ヒット) 1  1 閉会中継続審査事件について  (1)  説明事項    堀口農林水産部長    ・11月定例会付議予定案件について    江幡土木部長    ・11月定例会付議予定案件について    三鍋港湾課長    ・11月定例会付議予定案件について    二木河川課長    ・11月定例会付議予定案件について    金谷道路課長    ・11月定例会付議予定案件について    大木管理課長    ・11月定例会付議予定案件について    今井企業局長    ・11月定例会付議予定案件について  (2)  質疑・応答 薮田委員長 11月定例会付議予定案件の内容については、定例会の付託委員会十分審査をお願いすることになりますが、今ほどの説明において、計数等に特に御不審の点がありましたら、御発言願います。──ないようでありますので、以上で11月定例会付議予定案件の説明を終わります。  (3)  報告事項    金谷道路課長
       ・令和3年度富山県道路除雪計画について    資料配付のみ    農産食品課農業技術課    ・令和3年産米の品質及び作柄の状況について    農業技術課    ・高病原性鳥インフルエンザ発生状況と対応につい     て  (4)  質疑・応答    庄司委員    ・農業の担い手と新規就農支援について    筱岡委員    ・高収益作物について    ・米の概算金下落による農業者への支援について    ・米価の下落対策について    ・米の生産目標について    米原委員    ・庄川の洪水対策について    ・農林水産物等の輸出について    菅沢委員    ・企業局経営戦略の見直しについて 2 薮田委員長 報告事項に関する質疑及び所管行政一般についての質問に入ります。  質疑、質問はありませんか。 3 庄司委員 昨日、前農林水産大臣野上参議院議員の報告会がございまして、日本の農業をめぐる情勢についてお話を聞いてまいりました。農業の担い手については大変に厳しい状態だなと、私も農業に携わる人間として思っております。  2010年と比べてみると、国全体で205万人おられた農業者が、2020年には136万人とかなり減っています。そしてさらに、平均年齢もどんどん上がっているという状況にあります。  そういった中で一番心配なのは、地域農業の担い手だと思っております。富山県内ではいろんなところで集落営農なども進めておられますが、全体的に今のような話で平均年齢が上がって、若い担い手が育っていないのではないかと心配しております。そういったことで、農業の担い手について質問していきたいと思っております。  農業の担い手である認定農業者数、そして集落営農の数、そしてまた耕作面積に占める担い手への集積状況について、過去からの推移を含めて問いたいと思います。青山農業経営課長、お願いいたします。 4 青山農業経営課長 農業の担い手であります認定農業者数につきましては、令和2年度末の実績で1,585経営体と、10年前の平成23年度末に比べまして152経営体の増加、率で言いますと110%の増加、集落営農組織につきましては、法人化して認定農業者となった組織も含めまして599経営体と、10年前に比べまして99経営体増加、率としては120%増加しております。  これらによりまして、認定農業者集落営農組織等のいわゆる担い手への農地集積率につきましては、農地中間管理事業が開始される前の平成25年度末の50.7%から毎年増加し続けておりまして、令和2年度末では66.5%となっておりまして、全国で6番目の集積率となっているところでございます。 5 庄司委員 集落営農や法人化が進んでいることは、今お話しいただいて理解はしましたけれども、この先、地域農業の方が増えていく要素があまりなくて、人口全体が減っていく中で担い手をどうやってつくっていくかということが非常に大事なのではないかと思います。  割と皆さん、ふだんは企業などで働かれて、土日に手伝っておられるような方もたくさんおられると思いますし、経営自体が成り立って、しっかりとなりわいとして成り立っていくような、そういった法人化も進めていかなければいけないと思っております。  集落営農が法人化していくような働きかけも必要だと思いますが、農業経営体の体質強化、そしてまた、経営の安定化を図るための法人化に向けた進め方についてどのように考えておられるのか、青山農業経営課長にお伺いいたします。 6 青山農業経営課長 農業経営の法人化につきましては、経営管理能力の向上、対外信用力の向上、円滑な経営継承などの経営上のメリットがあるほか、新規就農者の雇用の受皿となるなど、地域営農体制の維持・発展への効果も期待されるところでございます。このため、県におきましては、農林振興センターにおきます個別指導をはじめ、県や市町村の担い手育成総合支援協議会による研修会の開催、税務・労務等の専門家派遣、法人化に要する経費の助成などの支援を行っているところでございます。  こうした取組によりまして、本県の農業法人数は毎年増加しており、令和2年度末では769法人、うち集落営農法人は452法人と、10年前の平成23年度末の399法人、うち集落営農法人200法人と比べると約2倍に増加しており、農林業センサスによりますと、農業経営体に占める法人の割合は北海道に次いで全国2位という状況になっております。  今後とも、地域営農体制を維持・発展していくために、農業経営体の基盤強化を図ることが重要であります。引き続き、農林振興センターによります経営体それぞれの発展状況に応じた伴走支援をはじめ、とやま農業経営総合サポートセンターの活用の働きかけなどを通じまして、法人化を一層推進してまいりたいと考えております。 7 庄司委員 全体的に増えているということで、これはいい情報ではあると思いますが、この前も視察に行かせていただきましたが、現場を見る限り、コマツナも売り先がなくて困っていると。そしてまた経営の安定が非常に難しいと。農福連携を進めたいけれども、なかなか市場の価格が安定しないので、面積をどんなに増やしても、なかなか売上げに結びつかないという話を聞いてまいりました。結構そういった法人が多いのではないかと思っております。そしてまた、富山県は兼業農業が非常に盛んでありますので、法人化は鈍ってきているのではないか、なかなかこれ以上伸びてこないのではないかとも思います。  3つ目の質問になりますけれども、国では今、これまでの担い手の補助制度を見直して、一括で1,000万円を支援するような動きがあると聞いています。国の概算要求では、新規就農者の施策を刷新して、新規就農者の支援を手厚くするということが盛り込まれていますけれども、これを受けて、県としてどのように取り組んでいかれるのか。  私、この前の週末、移住・定住関係の視察で東京に行かせていただきました。総務省が進めている「ふるさとワーホリ」なども積極的に支援しながら、外からもうちょっと気軽に就農したいという人に来てもらえるような環境づくりもしていかなければいけないと思っています。  私のところにも、農業をしたいと言って来られる人がいるんですよ。それで、実際に営農普及指導員の方におつなぎしたりもするんですけれども、ワンストップで農業や移住・定住を受け付けるようなところがないのではないかと思っております。少しでも、富山に来たい、農業がしたいという人を実際に農業経営に結びつけていくことが非常に大事だと思います。国が思い切った支援をされるということなので、ぜひそういった体制づくりを進めていただきたいと思いますが、青山農業経営課長にお伺いいたします。 8 青山農業経営課長 本県ではこれまで、首都圏などでの就農イベントへの参加、コロナ禍に対応したオンライン就農相談就農PR動画の配信などのほか、とやま農業未来カレッジなどでの技術習得研修、さらには就農に必要な農機等の整備支援などを国の支援策に組み合わせて実施することで、新規就農者の確保に努めてきたところでございます。令和2年度の新規就農者数は80名と、ここ10年でも高い水準になっているところでございます。  委員おっしゃいましたように、令和4年度の概算要求では、国の新規就農支援策の大幅な見直しが盛り込まれたところでございます。このうち農業経営の開始に関する支援では、これまで行われてきました年間最大150万円の資金を最長5年間交付する仕組みから、見直し後は、就農時に無利子の融資を借り入れ、農業機械等に投資した場合、その償還金に対して最大1,000万円を10年間で助成する仕組みとするなど、支援額や交付期間の拡充が要求されているところでございます。  しかしながら、この拡充に対する支援策につきましては、新たに地方に対して経費の2分の1負担などが求められていることから、地方としても今困惑しているところでございます。全国知事会の要請活動と同様に、県でも去る11月16日に知事から中村農林水産副大臣に対しまして、従来どおり全額国費で措置するよう要望したところでございます。  国の新たな就農支援策の制度設計の詳細につきましては、現在検討中ということでございます。県といたしましては、情報収集を行いますとともに、国支援策の効果的な活用を含めて、引き続き市町村などと連携しながら、県内外の新規就農者を確保いたしまして、その育成・定着が図られるよう取組を強化していきたいと考えているところでございます。 9 庄司委員 先ほど言ったように、やってみたいという担い手の方は結構おられます。そういった方をうまく引き込むことが非常に大事だと思っていまして、全体的に伸びていることはおっしゃるとおりですけれども、先ほども言いましたように、人口減少、高齢化の中で対応が難しくなってくると思っています。  特に中山間地はそれが顕著だと思います。人口がある程度いるところはまあいいと思いますけれども、そういった意味では、さっきも言ったように、ワンストップで相談できる窓口ですよね。移住したいなら移住のところ、農業がしたいなら農業のところ、そのようにまずは受け止めていただいて、それを就農に結びつけていただくような仕組みをつくっていただければと思っております。やはり農業を始めるときは初期投資がハードルになってくると思いますので、思い切った国の施策が進むことで、少しでも農業に携わる方々が増えればと思っております。どうか御協力をお願いいたします。 10 筱岡委員 先ほど、農林水産部の報告2点について説明はありませんでしたが、今年の米でよかったのは品質ですね。ここに書いてあるとおり、コシヒカリでも95%の上位等級は本当にすばらしい数字だったと思います。8月の天候不順を大変心配しておりましたが、品質面では大変すばらしい成績だったということで、当局あるいは農業者の努力に敬意を表します。ただ、収量はどこを聞いても去年より大分少なかったという意見が多いのは残念ですし、当然米価がこういう状態ですから、本当にそこは大変残念なところでございます。  報告のもう1点の鳥インフルエンザは、ここに書いてあるとおり、国内では3県、4か所、もう既に大型の鳥インフルエンザが発生したということです。富山県も今年1月、初めて鳥インフルエンザが発生しました。そういう点で、この冬も富山県として鳥インフルエンザには特にまた注意していかなければならないということで、よろしくお願いいたします。  質問の第1点目は、転作は主に麦・大豆が主力ですが、高収益作物と言われているものがあるわけであります。土地改良の整備事業でも、大区画化するにしても、高収益作物を作りなさいよというのが条件に大体入っているということをよく伺います。  我々の地元のハトムギは、収益性が悪いから、残念ながら高収益作物じゃありませんよということで、5年ほど前は、どうしてハトムギが高収益作物にならないのかということで残念がっていたのですが、最近になって、ハトムギが高収益作物に入っていますよと言われて、いつの間になったのか、ちょっと私もうれしいやらびっくりしたというのか、喜んでいたわけです。  高収益作物には、タマネギをはじめニンジンも入っているようですが、最近の県内での高収益作物作付状況と、この前行われた農業法人との意見交換では、タマネギを作っている人がちょっと口説いておりまして、単価が下がるとか収量が悪かったとか……。でも、単協へ聞いたら、いや、そんなことはありませんと言っていましたので、高収益作物の収益性も併せて伺います。 11 津田農産食品課長 本県では、収益性の高い農業を目指しまして、担い手を中心に稲作と園芸作物を組み合わせた複合経営や、各JAが戦略品目を定めて取り組んでおります1億円産地づくりなどによりまして、園芸作物ハトムギなどの高収益作物の作付が進んでおります。  高収益作物の近年の作付状況につきましては、機械化体系が確立している品目で生産が拡大しておりまして、平成28年と令和3年の比較でございますが、県全体では、タマネギでは104ヘクタールから155ヘクタールと約50ヘクタール増加しております。また、ハトムギでは272ヘクタールから403ヘクタールと約130ヘクタールの増加、ニンジンでは31ヘクタールから67ヘクタールと約40ヘクタール増加しております。  野菜等の収益性につきましては、収量や販売単価の年次変動、また作付規模によりまして異なりますが、助成金を含めますと10アール当たりタマネギが約16万円、ニンジンが約11万円、ハトムギが約5万円と試算されまして、いずれも主食用米よりも高い収益が見込まれるところでございます。  ただし、作物によりまして労働時間が異なります。タマネギニンジンは収穫作業などで手間がかかり、多くの労働時間を要しますが、ハトムギは比較的労働時間がかからないということで、作付を拡大することで経営体としての収益を確保できることになると考えております。  県では、こうした収益が確保できますように、農林振興センターが中心となりまして、排水対策などの栽培技術の向上や、加工・業務用としての販売などの販路開拓の指導を行っているところでございます。  今後とも、県として、担い手を中心とした経営の複合化と併せまして、水田での高収益作物への転換を進め、収益性の向上がさらに図られるよう、JA、市町村、農業団体と一体となりまして積極的に取り組んでまいりたいと考えております。 12 筱岡委員 やっぱり今の答弁を聞いても、ハトムギの収益性が──まあよく高収益作物に認めていただいて、一応感謝しておきます。これからも生産調整で植えますから、そういう点でもこれらの新たな高収益作物にもしっかり取り組まざるを得ないと思っております。  続いては、米の概算金が、特に主力のコシヒカリでも今年は2,000円下がったということでございますが、国の交付金(ナラシ対策)等、あるいは共済組合がやっている収入保険と、補填するにはその2種類があるということで、せんだってもお聞きしたところですが、今回のナラシ対策は、過去5年の最高値と最安値を除いて3か年の平均との比較の差額ということをお聞きしております。しかしそれも来年5月か6月にならないと入ってこないわけです。今年のように概算金がコシヒカリで2,000円下がった場合は、この計算に当てはめると来年どれぐらいの価格補填が来るのか。  また、今も申し上げたように、それが入ってくるのは来年の5月か6月ですが、冬場に機械を更新する担い手が多いわけです。そのための資金をどう支援すればいいのか。その辺についてお伺いします。 13 青山農業経営課長 ナラシ対策につきましては、委員おっしゃいましたとおり、認定農業者等の収入減少時に、減収額の9割を積立金から補填する仕組みでございます。ナラシ対策が発動された場合、補填時期は翌年6月頃になる見込みでございます。  一部新聞報道によりますと、ナラシ対策による補填額の全国的な見通しといたしましては、仮に米価が60キログラム当たり2,000円低下した場合、10アール当たり単収535キログラムとすると、10アール当たり1万9,728円との試算もあるところでございます。  しかし、ナラシ対策の発動の有無及びその補填額につきましては、来年3月までの相対取引価格を基に県単位で算出されることになりますので、現段階で本県が補填の対象となるかの判断及び補填額の算定は難しいという状況でございます。  また、補填金を受け取るまでの資金繰り対策といたしましては、国のセーフティネット資金がございます。平成26年産の米価の大幅下落時などでも活用されてきております。現在、無利子等で借入れができる特例措置が来年3月までの期限つきとなっているところでございまして、今月16日に知事から農林水産省の中村副大臣に、適用期限の延長を含めた農業経営の支援等について直接働きかけを行っていただいたところでございます。  県といたしましては関係機関と連携し、制度の周知に努めるとともに、農業者からの相談等にきめ細かく対応いたしまして、資金繰りに支障がないよう努めてまいりたいと考えているところでございます。 14 筱岡委員 よろしくお願いします。  今度の国の補正は75兆円とも言われる大型補正です。コロナ関係のものが多いわけですが、米価の下落、それと米の過剰在庫220万トンほど──200万トンを一応基準にしていると。それ以上の20万トン近くの過剰在庫等のこともあって米価が下落しているわけですが、今回の国の補正で、米の過剰在庫対策米価下落対策に関して今県に入っている情報をお聞かせ願いたいと思います。 15 津田農産食品課長 先般、政府で閣議決定されました経済対策では、米の需給緩和対策といたしまして、国の既存の事業──米穀周年供給・需要拡大支援事業でございますが、この中で、長期計画的に販売を行うこととしております令和2年産米の37万トンのうち、新型コロナウイルスの影響による需要減に相当いたします15万トンにつきましては、特別枠といたしまして、国が販売期間の長期化に伴う保管経費などに支援することとされております。  詳細につきましては今後決定されて公表されると思っておりますが、現段階では、集荷団体が行う長期保管に係る経費に対する支援、また集荷団体が行うこども食堂等生活弱者への提供の支援、中食・外食事業者等への販売促進についての支援などが検討されると承知しております。  なお、本県におきましては、集荷団体であります全農富山県本部からは、令和2年産米については販売契約は終了していると伺っておりまして、この事業の対象とはなりませんが、県としてはこうした全国的な需給対策による取組が米価にどのように影響していくか、動向を引き続き注視してまいりたいと考えております。 16 筱岡委員 富山のコシヒカリの令和2年産は、契約は全て終わったということで、非常に安堵するところでございますが、今の米に対する経済対策には大いに期待しております。  ただ、15万トン隔離するといっても、これも全農の方いわく、隔離し過ぎても後で放出するという、市場がそういう予測をして、だから価格の下げ止まりにはなかなかつながっていないんだということを最近聞いたので、ちょっとショックを受けているわけですが、それを注視したいと思います。  そこで、今もおっしゃったように、過剰在庫や毎年年間10万トンずつ米の需要が減っていることを受けて、せんだって、農水省が来年の生産目標数量を発表したところであります。675万トンに来年は抑えたいと。今年よりも約二十数万トン減らしたいという目標設定が出たわけです。  これを受けて、県の再生協がもうじき協議して、来年の県の目標を通常なら設定するわけでしょうが、全国で4万ヘクタール減らすことになります。率でいえば3.7%ぐらいになるようですが、3.7%は物すごく大きい数字であります。単純に言うと、100ヘクタールやっている人は、今約40%の40ヘクタールを既に生産調整しているわけで、それに3%増えただけでもまた3ヘクタール増やさなければならないということは、大変なことであります。  米農家は本当は、少しでも多く米を作りたいわけですよ。それを我慢して協力してもらっているんです。ただでさえ今40%やっているのに、急に全国平均で3.7%も増やしてくれということは、単純に言えば40%から1割また増やしてくださいということで、大げさに言えば44%ですね。これはもう農家のやる気をそぐわけであります。  もうすぐ、県とJAと農業者団体で協議して決定されると思いますが、県として主体的に来年の生産目標を設定される立場でありましょうから、県として、全国平均は3.7%だけれども、昨年も、その前も、全国平均よりは富山米はまあそれなりに自信を持って売れるから、割と全国平均よりは結構下げた率でいっていると思うんですが、今回も全国平均よりは相当低い設定でやるように、特に農林水産部を代表される部長が先頭に立って、農家が少しでも明るい見通しを持てる米の生産数量目標を設定していただきたいと思います。部長の意気込みといいますか、所見をよろしくお願いします。 17 堀口農林水産部長 米の生産調整ということでありますので、経緯から少しお話をさせていただきたいと思いますけれども、国による生産調整が始まったのは昭和45年になります。以来ずっと数量を国が提示してきたと。それに従って各都道府県は、その数量を見て生産してきたという経緯がございます。  平成30年産から、国による数量配分が廃止になりました。趣旨は、需要に応じた米生産を地方において責任を持ってやってくれということであります。各都道府県、いろんなやり方をしておりますけれども、富山県の場合は、県の農業再生協議会がその役割を担おうということで、当然県も入っておりますけれども、国の需要動向や価格の問題、あるいは生産者の意向、流通・消費の意向、そういったものを含めまして、どういう形で来年産を作ればいいか、どれだけの生産目標にすればいいかを議論しながら、12月初めの頃に再生協を開きまして、そこで決定して、各地域の再生協に下ろしているという状況になります。  実績から申し上げますと、国は、平成30年産から数量の目標配分をやめましたけれども、平成30年から令和2年の3年間、富山米は非常に需要がある、求められる、ニーズがあるということで、実は据え置いてきております。29年に決定したものを30年、元年、2年と3年間は据え置いてきたと。富山米は人気があるので、しっかり作ってもしっかり売れるということでやってまいりました。さすがに毎年10万トンずつ、委員からも御紹介がありましたけれども、人口減少で10万トンずつ全国で消費が減る。加えて新型コロナもございまして、昨年は36万トン減らさなきゃいけない。率にして4.9%ということで国が掲げました。  そういった状況で、国と同じように4.9%落とすわけではなくて、富山米はやっぱり需要がある。これまで生産調整も、東北や東隣の県に比べて富山県は真面目に行ってきました。  そういうこともありまして、令和3年産米、今年のお米については、目標からいきますと2.2%減ということで、国の4.9%よりも低い目標を設定してやってきたということになります。  4月には全国的な米の在庫が増えたとか、あるいはなかなか消費が進まないということで、国もハッパをかけまして、富山県も4月以降、作付が終わった段階で205ヘクタールの緊急転換を行いましたけれども、国よりも低く抑えてきたというのが実態でございます。  そうした上で、当然、令和4年産の生産目標についても県の再生協で今後決定していくことになりますけれども、11月19日、農林水産省が令和4年産米の生産の目安というものを出されました。委員から御紹介ありましたとおり、18万トン減の675万トン──これは全国ですけれども、それだけにしようということであります。  これは前年に比べての比較でございますけれども、平年作との比較というのもございまして、これでいきますと21万トンは今年より減らさなきゃいけない。面積にして4万ヘクタールの減をしなきゃいけない。率にすると3.0%くらいというふうに私どもは試算しておりますけれども、それほどの減を来年度はやらなきゃいけないことになります。これはあくまでも全国です。  では、県はどうするのかということでございまして、当然いろんな要素が出てきますから、そういったものをきちっと検討の上、進めていかなきゃいけないということになります。  国の基本方針は出ましたけれども、在庫量の試算も出しておりまして、来年6月末の民間在庫量につきましては213万トンから217万トンになるだろうというのを国のほうで数値として出しております。ちなみに、今年の6月は210万トンでした。大体200万トンを超えると米価が下がると言われております。県のコシヒカリでも若干値を下げました。令和3年産米はどうかというと、10月、新米が出てきて販売が本格化するときでございますけれども、10月の相対取引価格については、全国では平均的に13%減になっています。  じゃ、県産のコシヒカリはどうかといいますと、11%減になっているということであります。県も真面目に生産調整をしてきましたが、やはり全国的には米価下落という傾向にあるのは否めないと思います。そういったことも加味しなきゃいけませんし、さらには、全農とやまは県内の米の5割を集荷して販売していますけれども、先ほど課長から答弁ありましたとおり、全農とやまでは2年産のお米は全部販売契約は終了しているということでございますので、一生懸命販売にも力を入れていただいていると。富山米についてはニーズもあるということで売っていただいておりますので、そういったことも加味しながら、令和4年産をどれだけ減らせばいいのか、どれだけ生産すればいいのかというのは、今しっかり関係者間で詰めているところでございますので、12月に入りまして再生協の臨時総会で決定していくことになろうかと思います。  いずれにしても、生産調整というのは避けて通れないものだと思います。今後も進めていかなきゃいけないということであります。ただ、農家さんにしてみれば、できるだけお米を作りたいという意向はもちろん持っていらっしゃいますし、何より農家の所得を確保していかなきゃいけないということもございますので、先ほどからお話も出ております高収益作物へ転換する、あるいは国からの助成金、県も独自で支援もしておりますが、そういったことを全て加味した上で、数量目標を決めていこうということでございますので、いずれにしても生産者の方が希望を持って生産できるように、県としてもしっかり取り組んでまいりたいと思っています。 18 筱岡委員 今年の6月に急遽200ヘクタール追加の生産調整をしました。でも、結局はこれだけ米価が下がったんですよね、急遽200ヘクタール協力したのに。あれは残念がっておりますね。だから、協力したのに全然……全然とは言いませんが、残念な6月の生産調整の追加だったなと思っております。来年はそんなことのないようにしてほしいわけですが、何せ極力、特に皆さん、富富富もばんばん売れればいいのですが、コシヒカリは一番安定して売れておりますから、そういう点でぜひ生産調整を極力増やさないように努力していただきたいと思います。  それから、それに対する国の産地交付金について、農家の所得が減っているのを少しでも補填する意味もあって、産地交付金の増額も国へ強く働きかけてほしいと思います。 19 堀口農林水産部長 生産調整を進めていくためには、国の支援策がございます。主食用米からの転換を図るということで、戦略作物助成や、委員から御紹介がありました産地交付金もございます。そういった予算を活用してこれまでも県として進めてまいりましたので、そうした予算はしっかり国のほうで予算づけをしてもらって、富山県への配分をお願いしたいと考えております。  さらに、生産調整を強力に進めるということで、国は令和2年度の補正予算で水田リノベーション事業をつくりまして、大豆、麦あるいは輸出用米も含めて、主食用米からの転換を図る者に対して10アール当たり4万円の補助制度も新たにつくりました。来年度の概算要求でそれが盛り込まれております。補正から当初予算ということで、国も意気込んで概算要求をされたというふうに私は考えております。  今度の経済対策補正予算には、その水田リノベーションを少し前倒してつけようという動きもありまして、経済対策の閣議決定の中では「水田リノベーション事業」という表記もございます。詳細は蓋を開けてみないと分からないということはございますが、国もしっかり対応していただいておりますので、県単独の支援も含めて国から予算をしっかり取って、生産者の方が安心して営農が続けられるように努力してまいります。 20 米原委員 先ほど、除雪のことについて金谷課長からお話がございました。昨日から今日にかけても雷がゴロゴロと鳴っておりますが、氷見でブリは揚がりましたか。  〔「まだです」と呼ぶ者あり〕 21 米原委員 ブリ起こしという感じもしたわけですが、まだですか……。いよいよ寒くなってきて、冬になってきたという感じもいたします。  先ほど除雪の関係等について御説明いただきまして、実は、随分いろいろと検討しておられるやに、この報告書を見て感じました。  これだけ対策して雪が降らなければいいですね。これだけやってもらえば雪は降らないかもしれません。いや、雪だけはなかなか分かりませんが、しかし、相当前向きに検討いただいたと思って、大変うれしく思っております。少しでも準備して、雪が降ったときには速やかに対策を取って、県民の足を、また事故がないようにと感じた次第でございます。  さて、先般、富山県立大学工学部の環境・社会基盤工学科の准教授であります呉修一さんの勉強会がございました。砺波商工会議所で開催されたわけでございますが、内容は、庄川河川の危険性とハザードマップの見方などについての勉強会でした。  結論から言いますと、近年、地球温暖化ということもあって災害が大変多く発生しているということについて、この委員会、あるいは議会でも心配してお尋ねになっていた方はたくさんいらっしゃると思います。世界的な状況で災害が発生している、それも毎年のように発生していると。昔は、何年に一遍とか、忘れた頃にやってくるという話でしたけれども、今はもう、忘れぬうちにやってくるという状況で、頻繁に災害が起きています。  こういう状況の中で、富山県も例外ではないのではないか。特にこの辺ですと、一昨年、長野県での千曲川の氾濫、私も現場を見てきましたけれども、極めて大きな事故といいますか、災害でした。ようやく少し形がよくなってきたような状況でございますが、こういったこともありましたし、結構全国的に被害が絶えない状況が発生しています。そういう中で、庄川の河川の状況も決して十分ではないという話でございました。  河川課長にお尋ねしたいのですが、かつて聞いたことがあるのですが、庄川の河川が氾濫して、砺波平野一面で大変な被害が出たということです。利賀ダムの写真を見ても、今、工事の説明の中でも、過去にはそういう歴史があったということでよく出ていますし、そういったことを聞いたことがあるんです。しかし、全然私たちは、庄川がそんなことになるはずがないと思っているんですが、どうもそうではないと。最も危険なのは庄川の河川だという話でございました。
     このことについて二木課長はどのように受け止めていらっしゃるのか。まず、庄川の洪水対策についてお伺いをしておきたいと思います。 22 二木河川課長 庄川は、全国有数の急流河川でございます。上流域の年間降水量は3,000ミリメートルを超えるということで、年間を通じて大変降水量の多い河川でございます。  これまで庄川では、幾度となく大きな災害が発生してきております。昭和51年の洪水では、当時の加越能鉄道の橋梁が落橋しました。平成16年の台風23号では、観測史上最大の水位を記録しまして、高岡市、射水市の1,400世帯に避難勧告が発令されました。  また、ここ数年におきましても、平成30年7月、今年8月には、水防団出動通知の目安となる氾濫注意水位を上回る水位を記録しておりまして、早期に治水安全度の向上を図ることが必要だと考えております。  庄川の治水対策でございますけれども、国ではおおむね30年間に整備する対策としまして、1つ目は、戦後最大規模の洪水を安全に流下させるため、利賀ダム整備により全川にわたり洪水時の水位を低下させるとともに、堤防の高さや幅が不足している箇所の堤防整備、治水上のネックとなっております万葉線橋梁や新庄川橋の架け替えなどを行うこととしております。  2つ目でございますけれども、庄川は、今ほど申しましたように急流河川でございます。急流河川特有の洪水は、大きなエネルギーにより中小洪水でも堤防が侵食されて決壊する危険性がございます。このため、堤防の洗掘・侵食対策として護岸等の整備を進めているところでございます。  また、気候変動というお話もございましたけれども、気候変動の影響による水害の激甚化、頻発化を踏まえまして、河川管理者が行う堤防などの整備をより一層加速するとともに、流域に関わるあらゆる関係者が協働して対策を行う流域治水にも取り組むこととしております。  今年3月、国が策定しました庄川水系流域治水プロジェクトにおきましては、堤防などの河川整備に加えまして、利水ダムなど17ダムにおける事前放流の実施、森林整備や治水対策、マイ・タイムラインなどの普及などにより、流域における浸水被害の軽減を図ることとしております。  県としましては、集中豪雨による災害が全国的に頻発しておりますことから、地域住民の安全・安心確保のため、国に対して利賀ダムや堤防、護岸などの一日も早い完成を図るよう働きかけてまいりたいと考えております。 23 米原委員 今お話しあったように、急流河川ということでありまして、大変危険なところだということを課長から説明いただいたわけです。その勉強会の中でお話があったのは、今も少し触れていただきましたが、利賀ダムというのは極めて早く建設しないと駄目だということです。  毎年、利賀ダム建設促進期成同盟会の総会を開催し、綿貫先生に会長をずっとお引き受けいただいておりますけれども、順調に、国道471号をはじめとして、工事に向けて鋭意進めていただいているということです。  本体工事はまだなかなか先が見えない状況になっておりますが、具体的なスケジュールといいますか、どんなふうに御理解をいただいているのか、いかがですか。 24 二木河川課長 利賀ダムにおきましては、昨年8月に基本計画が変更されました。完成を令和13年度といたしまして、現在整備が進められております。  今年度は、将来国道471号利賀バイパスとなります道路の整備、トンネル工事や、本体着工に向けた河床に降りるトンネル工事などが進められているということでございます。  また、転流工といいまして、本体工事に先立ちまして川の流れを切り替える水路トンネル工事でございますけれども、これも現在、契約に向けて準備が進められていると聞いております。 25 米原委員 こちらに菅沢委員がいますが、僕、何月だったか質問に立ったときに、ぜひあなたの党を挙げて御協力いただきたいと、そして日本共産党の方にも申し上げました。立憲民主党の皆さんも一緒になって、これは政党なんて関係ないと。ともかく前向きに進めないと駄目だよということを申し上げたわけですが、ちょっと収まっていくと、また反対も出てくるから、そういうことのないように、ひとつまた一緒になって、みんなで取り組んでいかないと駄目だということです。力強くやりますから、ぜひまた応援をして、みんなで力を合わせてやっていかなければならない課題だということを、改めてこの勉強会で感じました。  利賀ダムや庄川だけではなくて、神通川も大変だとおっしゃっていました。私、今まで、河川といったら、早月川など砂防の関係で、富山県というのはこのことでずっと先人の皆さんが言ってこられたので、砂防のことについてはずっと私たちは頭にあったけれども、まさか地元の庄川や神通川の話が出てくるとは思わなかったんです。  だけれども、呉先生がおっしゃるには、これからの状況というのは、温暖化やいろんな状況からすると、今の堤防問題についても、こんなことでいいのかということを強くおっしゃるものだから、ちょっと考え方を変えて、しっかりとやっていかねばならんというふうに実は改めて感じました。  委員長、富山県には一級河川が5本あるわけです。富山県全体の河川について、災害のことを含めた勉強会をしていかねばならんと強く感じたものですから、ぜひひとつ御検討いただければと思っておりますので、よろしくお願いしたいと思います。  部長、今のことについての感想を聞かせていただけませんか。 26 江幡土木部長 今ほど御指摘いただきましたように、近年、本当に全国各地で災害が頻発しておりますし、また、国の河川整備基本方針検討小委員会の資料によりますと、気候変動によりまして世界の平均気温が2度上昇した場合には、降雨量で1.1倍、流量が1.2倍、そうなると洪水の発生頻度は約2倍になるというデータも示されているところでございます。  そうした中で、庄川、神通川のことをおっしゃいましたけれども、庄川と神通川がほかの河川とちょっと違っているのは、堤防の整備自体、高さと幅がまだ整備されていないと。ほかの、例えば直轄でも黒部川、常願寺川、小矢部川については、一応堤防の整備自体は終わっているという状況でありますけれども、庄川と神通川はまだ途中であるといったこともありますし、当然、急流河川ということもありまして、一たび破堤すると非常に大きな被害が発生するということで、もちろん、ダムの整備も一日も早く完成していく必要がありますし、もう一つは、既存のダムを活用した事前放流といった形で、少しでも既存のものを活用していくということです。  また、堤防についても、破堤してしまうと全部水が流れてしまいますけれども、なるべく粘り強く強化するということで、仮に越水しても全部が流れ出ないなど、そういったハード対策ももちろん進めていく必要があります。  もう一つは避難誘導の話もありますし、さらには、まちづくりの中で人が安全な場所になるべく移り住むといった形の取組も、これはなかなか難しい問題が発生しますけれども、規制誘導を緩やかに行っていくことにも総合的に取り組んでいく必要があるということでありまして、あらゆる関係者が協働して、全体で治水対策に取り組んでいく必要があると考えております。 27 米原委員 今年、あの熱海の事故があったわけで、熱海があんな結果になるとは誰も思っていなかったのに、あれだけの災害が起きてしまったということです。  地球温暖化によって様々な状況が変わってきているということを、ぜひまた皆さんにも御理解いただいて、しっかりと進めていかなければならないということを改めて実感しました。  もう一つ、話が前後して恐縮でありますが、前もって言えばよかったのですが、庄川の今の話というのは、岐阜からの影響が極めて大きいということもおっしゃっていました。だから庄川は危ないんだと。だから利賀ダムは早く完成しなきゃいかんのだと、こういう結論でございましたので、よく御理解いただきたいと思います。  次にもう1点、農林水産部の伴班長にお尋ねしたいのですが、部長をはじめ皆さんがいろいろお骨折りくださり、富山県農林水産物等輸出促進協議会を開催して、これからしっかりと輸出方針──先ほど庄司委員からも、昨日野上さんが、384日間という1年余りの大臣を経験された講演を、私も聞きました。  今たしか、輸出というのは1兆円弱。9,000億円ぐらいでしょうか。昔は五、六千億円しかなかったので、よくここまで来たと思いますけれども、野上大臣になられてから、3兆円、将来的には5兆円ということを発表されまして、全国に向けて農産物の輸出に向けてしっかり取り組んでいかねばならんということを、大臣としておっしゃったわけです。  そういう中にあって、富山県もしっかり検討していただきたいということで、堀口部長にも同席いただいて、元中国特命大使の横井さんや、元農林水産審議官の針原さんとも検討しておられるということでありました。いろいろなことで進んできているということを大変うれしく思います。  11月19日の新聞に、2026年度の農産物輸出額について、目標30億円は低過ぎるということで、大きな記事になっていました。どこの新聞も大きく報道されているわけです。記事の中身を見ますと、お名前を申し上げて恐縮でありますが、満寿泉の蔵元である桝田酒造店の桝田社長は富山県酒造組合の会長をしていらっしゃるわけですが、30億円だったら何もしなくても達成できる内容ではないかと。富山県の規模は大体日本の100分の1と言われるということでありまして、1%経済ともよく言われますけれども……。だから、5兆円の100分の1は500億円じゃないかと、おかしいじゃないかというような──そういう言い方はしなかったと思います。「何しとるがや」というような話ではなかったと思いますけれども、新聞を見るとそういう言い方なんです。中身を見れば、こんな程度で富山県はどうなっているのかという話でしょう。  それから、いつもこの話を話題にして申し訳ないのですが、県農協中央会の伊藤会長は、富山の知名度がないのが問題だということをおっしゃるわけだけれども、僕はこの意味はちょっと分からないですね。だから、どこに向けて、今この話をどうしていかなければならないのかということについて、委員の方たちの物の見方、皆さんの捉え方というのは今どんな現状に……今スタートしたばかりでしょうけれども、どういう現状なのかということを、伴班長、聞かせていただけませんか。 28 伴市場戦略推進班長 富山県の現在の輸出金額につきましては、今回、輸出促進方針を見直すに当たって、県内の事業者200余りを調査させていただきました。その結果、積み上げたところ、大体10億8,000万円ほどというのが令和2年度の実績として分かったところでございます。そういう現状でございます。 29 米原委員 10億8,000万円だったから目標を30億円に決めたんですか。そんな単純な話じゃないでしょう。 30 伴市場戦略推進班長 10億8,000万円だということが分かりまして、実はその際に、現状の金額と、5年後にどれくらいの輸出額を目指されますかという質問をさせていただいておりまして、その結果等も踏まえて、また、こちらのほうやワーキンググループで実はいろいろ議論したんですけれども、その議論の中で、輸出の伸びる方向性なども踏まえまして、合計30億円というのは、ほぼ積み上げたものプラス、ワーキングチームの御意向を踏まえて、30億円と設定させてもらったところでございます。 31 米原委員 ワーキングチームのメンバーはどういう方々ですか。 32 伴市場戦略推進班長 お米につきましては、全農、中央会、ジェトロ、JAみな穂、そういった方々にメンバーとして入っていただいて、今後の意向を聞いております。それは、米の輸出産地ということで国で指定された方々の意向を聞いたものでございます。 33 米原委員 今のお話を聞くと、ワーキンググループで協議したものを踏まえたと。その前に今までの実績を調べたら10億8,000万円ほどだったと。それで、さらにワーキンググループをやって皆さんの意見を集約したものが、結局30億円になったという話ですけれども、なら、何で「低い」という話がこんなに出てくるんですか。  「30億円は低過ぎる」と言われることを、どういうふうに受け止めておられるかというのが聞きたいんです。 34 伴市場戦略推進班長 今回、協議会の委員の皆様から、世界の食市場等の規模から考えると、富山県の輸出目標の30億円というのは低いのではないかというのが御意見としてまず最初にございました。  そのほかには、伸ばすには地域商社というのを民間ベースでつくっていくべきだ、県内の生産者に利潤が残るように輸出拡大を図るべきだ、できるところから、取りかかりやすいところから成果を上げていくべきではないかということで、さらに上を目指すべきではないかという御意見を多くいただいたところでございます。  そういうことも踏まえまして、輸出目標につきましては、今回、先ほど申しましたとおり、事業者の目標等を参考に設定させていただいたところですが、今後、品目ごとに、もう一度、関係団体の皆さん、あるいは有識者の方に御相談しながら、どういうふうにすれば30億円よりももっと上を目指せるのか、具体的な取組方策、例えば協議会の中でも意見が出ましたが、県の輸出をリードするような先駆的な活動、あるいは地域商社を核とした商流・物流の構築への支援、そういったものによって、それを県のビジョンとして示すことによって、生産者の皆様がやる気と夢、希望を持って輸出にチャレンジできるような方針にしていきたいと考えているところでございます。 35 米原委員 富山県が全国の1%経済だということは私たちもよく耳にする話ですし、また皆さんもよく使われると思うのですが、だから低いとか高いということではなくて、先ほど筱岡委員の話を聞いていて、農業の話というのは、補償してほしいという話が多いんですよ。だけれども、自分たちからこうしませんかという話はあまり聞けないのです。僕はいつも議会でも言うんだけれども、皆さんに委ねているというふうにしか見えないんですよ。  これからの時代というのはそうではなくて、コロナのことがあって世の中も変わってきたと。新しい仕組みをこれからどう考えていくのかと、発想を変えないといけないんです。変えてほしいわけです。こういうふうにやろうよという話で盛り上がってこないと、さっきの担い手の話だって、どう担い手を育てるのか。言葉では「担い手、担い手」と皆さんずっと言っておられます。しかし、ほとんど育っておりません。  そういうことからすると、本当に根本から、そういったところも検討しなきゃならないと思ったから、横井さんや針原さんなどのいろんな意見を聞いて、その上で、何か新しい取組を考えていったらどうかということを申し上げて、御紹介して、皆さんと懇談したということです。まだそこまでの状況になっていないということであれば、これはまた致し方ないのかもしれません。  この間、砺波で農村整備事業の竣工式がありました。多分、南次長もお見えになっていたと思うのですが、砺波市長と農林振興センターの所長も来られました。十七、八年かけて13億円ぐらいの事業だったと思うのですが、完成しました。  だけれども、この事業だって、今整備したということは、これからこの地域の農業をしっかり運営するために工事をしたわけです。目的と手段ということを聞くと思うけれども、工事は手段です。目的は、いかに農業を活性化して、その地域を発展させるか、そのためにどんな人材を育てて、どんなものを作って、どうやっていくのかということを考えることです。工事が終わったらそれで完成、終わりましたというのは違うのではないかと。  しかし、それだけではなくて、富山県が水田農業の一番恵まれたところだということであれば、新しい農業をしっかりとつくって打って出ていく。人口減少の中で、米の消費も少なくなってきているときに、いかに新しいものを作って興していくのかを考えていくのが農業の課題ではないのかということを、私は田んぼはしたことがないけれども、やっぱり食料のことを考えたら絶対にやってもらわなくちゃと思って、素人ながらにいつも考えているんです。しかし、どうも担い手たちが育っているようには見えません。  富山は営農組合もたくさんありますよ。700から800ほど営農組合があるんでしょう。理事長さんは大勢おられます。副理事長もおられるけれども、活動がちょっと弱いと思います。最近の新聞を見ると、若い人たちが農業に関心を持ってくださることがよく出てきます。そういう面からいうと、青年会でそういう人たちをうまく、しっかり育ててあげて、頑張ってもらいたいと私は思うわけです。  だけど、委員会や協議会の委員は、年配の方がほとんどですよ。調べてみてください。失礼かもしれないけど、その人たちに、輸出型の話や、こういうものを作らないかと一生懸命言っても、新しい知恵は出てこないと思います。だから、さっきみたいな、「米価が下がったからまた上げてくれ」という話になるんです。物を一生懸命作っているから、それも大事なことかもしれません。  世界の70億人から80億人の人口の中で、食料不足と言っているんです。トヨタ自動車も農業に参入するんです。そういうふうに、どんどん変わってきているんです。  富山県は、これだけたくさんの整備をして、皆さん一生懸命汗を流してやってきた。これだけ基盤がよくなってきて、いろんなインフラの整備もできているんです。もうちょっとやる気になって一生懸命事業を起こしたら、必ず私は、株式会社ウーケじゃないけれども、ああいった産業が育つと思います。  国内だけじゃ駄目だから、海外に向けていこうじゃないかと言っているわけです。新聞にも、海外ではもっとできると指摘されているということも書いてあります。そのとおりだと思います。  私はこの新聞を見て、仕切り直しということが書いてあるから、ちょっと残念だと思ったわけです。部長はどう思いますか。私は残念だと思っています。仕切り直しと書いてありますから。 36 堀口農林水産部長 委員がおっしゃるのは誠にそのとおりだと思っております。第2回の協議会を開催したときに、方針を立てなきゃいけない。その方針には目標値を定めようということで、ワーキングチームを中心に議論してまいりました。実際の目標値の掲げ方は、事業者からのヒアリング、アンケートを基に、どのくらい5年後に輸出が達成できそうかということで、業界のお話もお伺いしながら、言ってみれば積み上げ方式で、現行の10.8億円に対して3倍の30億円と設定させていただきました。  議論の過程の中では、副知事をトップにして協議会を開催しておりますけれども、いろんな意見がありました。全国で2兆円、5兆円という目標が示されており、1%とすれば200億円、500億円の世界であります。実際にそこまでできるかという話になりますと、ちょっとだけ御紹介させていただきますが、国の輸出品目の現在の状況から言いますと、やはり畜産関係が多く、牛肉が輸出の、メインとは言いませんが大きなシェアを占めております。そのほかに、ブリやホタテなどの養殖魚といったものの輸出が多いということで、当然そういったものについては2025年、令和7年に向けて2兆円にすると言っておりまして、牛肉あるいは豚肉もそうですけれども、あとは養殖魚を大きく伸ばそうということで、国が2兆円の目標設定を掲げております。当然、2030年には5兆円に伸ばしていくということで設定しているということがあります。  では富山県の場合はどうかということになりますと、実際に、積み上げベースですが10.8億円です。ロットがないというものもございますし、当然、畜産関係あるいは養殖関係というのは、富山県は今まで輸出したことがないので、国のベースと県としてできることにはやっぱり開きはあるのだろうと思います。  ただ、30億円という設定がよかったかというと、「いや、もっと増やしていかないと」、「いや、事業者のほうで30億円ぐらいに行きそうだ」という数字を県として目標設定するというのは、確かに反省しなきゃいけないところがあります。  今は、どういうふうな形で輸出額を増やしていくのか、実際に農林水産部でも進めておりますのが、やはり県内の農林水産物なり加工品、食品と言われるものは、ロットが少ないんですね。このロットが少ないのをどうやって輸出するのかといったら、効率的に輸送するときには、コンテナをいっぱいにする混載という方法がございます。今まで県としても、混載について輸出実証を行ってきておりますけれども、実際に今まで輸出に取り組んでいなかった事業者が、国内の消費が落ち込む中でどうやって所得を上げていくかというと、やはり輸出というのは一つの大きな手段になろうかと思います。  今まで取り組んでいなかった事業者を集めて、実際どういうところに何をどれだけ持っていくと売れるのかということで、やはりコーディネート役といいますか、今、地域商社というものが九州でも動いて成功している例もございますし、そういった地域商社的なものでコーディネートをして、今まで取り組んでいなかった事業者を集めて、食品あるいは農産物を集めて、それを売れるところに持っていくというようなコーディネート役が必要だろうと思っています。  今年のサンドボックス枠も活用いたしまして、今、富山県内でどういうふうに地域商社をできるかという可能性の調査に入っております。こういったものを少しずつ、国のベースにはすぐに追いつきませんけれども、しっかりとした土台を富山県でもつくっていかなきゃいけないと。それをビジョンあるいは方針としてお示しをする。ビジョンは共感されないといけないので、生産者の方あるいは加工業者の方に、県がこういうビジョンをつくったから、一緒になって自分たちも頑張ろうというような形になっていくのが理想だと思っています。  そうなるように、まだよちよち歩きでございますけれども、今後しっかりと対策を練りながら、それこそ協議会には偉い委員さんもいらっしゃいますので、そういった知識あるいはノウハウのある専門家の御意見もお伺いしながら、しっかりとした方針を立て、事業者と共有し、輸出額を、少しずつでもいいのですけれども、どんどん増やしていきたいと思っています。よろしくお願いいたします。 37 米原委員 砺波の話で恐縮ですが、若鶴酒造がウイスキー蒸留器を老子製作所と一緒に造りました。私も何回か現場を見に行きましたけれども、鋳物の会社、釣鐘を造っている会社が、酒屋の蒸留器を製作したということで、大きく報道されておりました。ウイスキーの輸出については相当見込めるということも実は言われておりますので、そういったことにも取り組んでいただいたと思っておりますし、それ以外にもいろんなところで取り組んでおられると思っております。  それから、輸出ではなくて国内の話ですが、石川県もそうでありますが、富山県で取れたものを新幹線で東京まで運ぶということもしておりまして、食文化というか、いろんなものが変わってきているわけです。だから、そういうことに速やかに我々も反応していかなきゃなりません。  御覧になった方がいらっしゃるかもしれませんが、沖縄県の那覇市に大きな倉庫があるんですよ。先ほどロットが少ないという話がありましたけれども、ヤマト運輸が国内で取れたものを、例えば氷見で朝取れたブリが昼過ぎまでに沖縄に行くんですよ。そしてその日に香港やアジアのほうへ行ってしまうという、そういうことをヤマト運輸がやっているんですよ。  だから、国内のこと、あるいは輸出のこと、まだまだいろんなことができるんです。この間、奥野委員もお酒の関係で、「富の香」という酒米の話をしておられましたけれども、これまた量が少ないですよね。要するに、酒米だって作らなければいけないわけですよ。そういうことも研究していかなきゃいけないし、研究課題がたくさんあるなと思っているわけです。  いずれにしても、富山県には素材がいいものがたくさんあるわけで、これを何とかしっかりと取り組んで、富山からアジアに向けて発信できるような、そういう努力をしていくためには、もうちょっと積極的に参加できるような若い人たちを選んで、育てて、そして全国に発信できるように努力していただきたいと。我々も一生懸命また応援しますので、ひとつよろしくお願いして質問を終わります。 38 菅沢委員 現在、企業局が経営戦略の改定作業に着手しておられます。前々回の常任委員会で、改定に向けての基本的な考え方、スケジュールなどの報告があったように思います。10月に第1回の検討委員会も開かれまして、私の手元にもありますが、企業局の現状分析と直面する課題の整理、そして経営戦略見直しの計画の骨子案が示されております。大変膨大な資料で、全部を読んで中身を理解することも難しいのでありますが、今日は私も、経営戦略の改定論議に常任委員会の論議を通じて参加させていただきたいということで、企業局幹部の皆さんといろいろ論議することになろうかと思います。時間がもうかなり経過しておりますので、今日で終わりということは考えておりません。  私は日頃から、企業局の役割を高く評価いたしております。水道事業等を通じて県民の皆さんの暮らしを支えて、工業用水道事業を通じて産業の根幹を支え、電気事業を通して社会貢献もしておられます。そして、企業局の職員の皆さんが必死になって働いていらっしゃる、その姿にも敬意を表しております。  ただ、経営戦略の改定が必要になってきたという新しい時代の流れの中で、先ほど申し上げたような企業局の役割を果たしていくために、事業をさらに改革していく必要があるということだろうと思います。そのための経営戦略の見直しということです。  今日は事前に幾つか質問項目を整理しておりますが、時間の関係もあるので、順番を入れ替えたり、少しまとめて質問させていただきたいと思います。1問目は後回しにさせていただいて、総括的な今日の論議に回したいと思います。  まず最初に、企業局の各事業の現状と問題点に触れたいと思います。  この骨子案の中でも現状分析と課題の整理がされております。企業局の中には、水道課、電気課、経営管理課という3つの課がありまして、3人の課長とも「サカイさん」なんですね。企業局の幹部を「サカイさん」が担って、日頃からの業務の推進と、経営戦略の見直し作業の先頭に立っていらっしゃるわけです。  県営水道と併せて工業用水道事業をめぐる、各施設の耐震や老朽化の現状というのは、この経営戦略の見直しでもクローズアップされておりますので、まずは耐震・老朽化の現状について、水道課の酒井課長から御報告いただき、今後の対応や財源の問題は後で別に議論したいと思います。まずは現状についてお願いします。 39 酒井水道課長 まず、水道事業でございます。  西部水道用水供給事業──これは庄川水系と小矢部川水系の河川水を利用して、西部4市へ安全な水道用水を安定的に供給している事業でございます。この水道管の老朽化の状況ですけれども、まず庄川水系では、和田川ダムから射水市、高岡市へ水道用水を供給しております。このダムが完成しました昭和42年、今から54年前でございます。このときに整備した管路、具体的には日の宮線と言いますが、6キロメートルございまして、これが最も古い管路となります。  その次に、小矢部川水系では、子撫川ダムから高岡市、氷見市、小矢部市へ供給しております。供給開始は子撫川ダム完成の翌年で昭和54年でございます。今から42年前ということであります。このときに整備した管路、これには氷見線を含みますけれども、約31キロメートルございます。  その後、さらに庄川水系の管路を整備いたしまして、全体延長が現在44キロメートルということでございます。これの整備期間は昭和40年から昭和55年の15年間でございます。  こうしたことから、法定耐用年数の40年を経過した延長は43.3キロメートルと、全体の98.5%でございます。  次に、耐震適合性につきましては、具体的には地盤が軟弱かどうか、あるいは継ぎ手の設置時期から判断するとされておりまして、水道用水管の場合は、現在耐震適合性がないと判断しております管路は全体の約55%、延長にいたしまして24キロメートルでございます。  続きまして、工業用水道事業の管路の状況でございます。  工業用水道事業は、和田川浄水場から富山市、射水市、高岡市の企業78社に良質な工業用水を供給している事業でございます。この工業用水道管の全体延長は約107キロメートルございます。この老朽化の状況について、これも先ほどの水道用水供給事業と同様でございますけれども、昭和45年から昭和53年の10年足らずの間に、その多くを設置しております。  こうしたことから、法定耐用年数の40年を経過した管路は、令和2年度末までで全体延長の約82%、延長にいたしますと約88キロメートルでございます。  また、耐震適合性について、判断基準は先ほどの水道用水供給事業と同一でございますけれども、耐震適合性がないと判断している管路は全体の約71%、延長にいたしまして76キロメートルでございます。 40 菅沢委員 今、各水道と工水の施設の耐震・老朽化の現状について、御報告をいただきました。これは今までも何回か御報告をいただいたり、取り上げさせていただいておりますけれども、極めて深刻な現状であると。工業用水道管につきましては、もう既にこれもこの常任委員会で議論させていただいておりますけれども、今年の4月20日、射水市国道8号の鏡宮交差点付近で漏水事故が発生して、富山新港周辺の企業に影響が出ました。16社で生産・操業停止の事態等になったわけであります。  こうした工業用水道管の漏水事故というのは、最近大変増えております。そういうことで、私はもう、水道にしても工水にしても、施設の更新を先延ばしすることはもはや避けられない、先延ばしできない事態に至っていると認識いたしております。  そういう現状を踏まえて、今後の対応についても、骨子案を見ますと記載されております。明確に、上水についても工水についても、検討委員会の評価は努力が必要と指摘されて、対応方針も示されております。酒井課長に、その辺の対応、今後どうなるのか、お尋ねしたいと思います。 41 酒井水道課長 まず、水道事業でございます。  管路の更新につきましては、平成26年度にアセットマネジメント計画を策定しておりまして、本格的に取組を始めております。平成27年度からは、高岡市国吉から氷見へ至る約5.8キロメートルの管路の更新工事を進めてきております。  今ほど御指摘のとおり、管路全体を更新いたしますときには、多額の費用と相当の期間を要すると見込んでおります。  まず、優先区間の選定が必要でございますけれども、これについては受水団体の方々と十分協議をしていきたいと考えております。また、更新工事の進捗を早めるためには、まず更新費用について、これまでやってきております実績を反映して、的確に把握したいと考えております。また、管径の縮小などが検討される区間はダウンサイジングを図りまして、費用の縮減に努めていくこととしております。  また、財源につきましては、経営戦略の見直しの中で投資・財政計画を検討することにしておりますけれども、建設改良積立金、あるいは近年非常に低利でございますので企業債の活用、あるいは国の交付金を活用するなどして必要な財源を確保しまして、負担を平準化して、経営の安定化を図りながら計画的に管路更新に取り組み、安定供給に努めてまいりたいと考えております。 42 菅沢委員 酒井課長からもう少し明確にお話をお伺いできると思っていたのでありますが……。  もう一度申し上げますけれども、上水にしても工水にしても、管路の深刻な耐震不足や老朽化の現状、そして頻発する工水などの漏水事故の影響は極めて大きいわけです。先ほどは今年4月の射水市の事故について申し上げました。  特に、この議会でも取り上げさせていただいておりますけれども、和田川の上水・工水の導水路、隧道で事故が仮に起きた場合は、最悪の場合、企業局の西部水道・工水に壊滅的な打撃を与えかねません。  最近のことですがご承知かどうか。今年10月、和歌山市の水道で、紀の川に架かる水管橋が突然落橋いたしまして、和歌山市内の4割に当たる約6万世帯、13万人の住民に、約1週間、断水となる事態になっておりましたけれども、これは他人事ではないと思っております。  そこで、戦略の骨子案を見ますと、水道事業については施設の耐震・老朽化対策のスピード化、それから工業用水については老朽化した管路更新の大幅前倒し、このことは明記をされております。私は特にその中でも、和田川の導水路、これはやっぱり複線化ですね。隧道という特殊な工法を取っておりますので、なかなか現状の観察さえ難しく、技術を駆使して一定の観察結果は出ておりますけれども、しかし私は、複線化を急ぐ必要があると思いますよ。そういう意味では、この中で明確に、「スピード化」「前倒し」という表記がされておりますので、その辺の認識を改めてお伺いします。 43 酒井水道課長 管路の健全性をしっかりと把握しながら、事業を行っていく必要があると考えております。  1つには、まず和田川の導水トンネルもそうなんですけれども、管路破損によるリスクを少しでも小さくして、計画的に事業に取り組む必要があると考えています。そのため、AIやICTを活用して漏水箇所を早期に発見あるいは予測できないか、そういった検証をする取組を進めたいと考えています。  また、工事発注の業務負担の軽減のために、管路更新工事をより一層円滑に進めるために、民間活力の導入といったことも進めたいと考えています。
     また、今ほどの御質問の和田川導水トンネルでございます。  御紹介のとおり、西部水道用水あるいは西部工業用水の原水を送る極めて重要な施設であると考えておりまして、延長が約1.8キロメートル、内径は2.1メートルの鉄筋コンクリート造りでございます。これも、先ほど御紹介申し上げました和田川ダムと同時期に構築されておりますので、昭和43年以来53年ほど経過したものでございます。  令和2年度に実施いたしました現在の導水トンネルの現状調査では、細かな小規模な剥離や目地の開きが確認されておりまして、それらは軽微であると認識しております。直ちに導水に影響を及ぼすような変状はないと認識しておりますけれども、この導水トンネルは、今ほど御紹介のとおり、法定耐用年数の58年には達していないのですけれども、施設の規模、その重要性から、更新の検討を進める必要があると考えております。  具体的には、今ほどお話しいただきましたように、供給しながら工事を進めなければならないということ、それと、複線化すれば、片方の施設を利用しながらもう片方を修繕することができるということがございますので、現在の1系統の導水トンネルをやはり2系統化する必要があると考えております。  この場合、具体的な課題ですけれども、例えば和田川ダムに新たな取水施設を計画しなければならない。それからトンネルを施工する必要がある。今いろいろと考えておりますけれども、1つ大きな工夫が欲しいのは和田川浄水場への接続部でありまして、今現在供用しているものにうまくつなぎ込む必要があると。こういった課題を十分に抽出して検討する必要があると考えてございます。  導水トンネルの対策につきましては、今後とも定期的な調査、これは継続してまいりたいと考えておりますけれども、別ルートを新設する場合の課題整理を行い、また、今般見直しております経営戦略の中にもしっかりと位置づけ、導水トンネルの機能の維持・保全について万全を尽くしてまいりたいと考えております。 44 菅沢委員 酒井水道課長は本当に一生懸命な方でして、私は何回かお会いしていろいろお話をお伺いして、御教示もいただいておりますが、非常に情熱を持って仕事に取り組んでいらっしゃる方でありまして、この事態に対する危機感、苦悩ですね、献身的なそういうお姿をいつも拝見いたしております。ただ、スピード化、大幅な前倒しというのは具体的にはどういうことなのか。どういう計画があって、それをどう見直ししようとしていらっしゃるのか、私は一番そこが知りたいわけです。  そうは言っても、財源の問題もありますし、重大な解決をしなきゃならん前提もあるわけですが、この間、ちょっと提案したいということで電話がかかってきました。私が和田川の問題を取り上げて水道のことをいろいろ議論しているのを報道などで知られたんでしょうね。和田川の導水路、隧道は本当に問題だと、本当に心配だと、危険だと。そこで、緊急時に備えて、豊かな和田川や庄川の沿川に農業用水路があるわけです。神通川の周辺でもそうですが、その農業用水路の転用・活用について、緊急の対策として手を打ってみたらどうかと。これは、農繋期における農業用水の確保等、様々な問題がありますから、難しい問題はあるんですよ。しかし、緊急に備えるために、そういうことも備えとして考えておいてもいいのではないかという提案でした。  砺波市は、水道は農業用水を活用しているんですよね。法律的なことや水利権の問題など、難しい問題があるのはよく存じ上げております。しかし、複線化には巨額の投資、時間がかかるわけで、やっぱり危機管理の点からいえば、この方の提案をなるほどなと思ってお聞きしました。そういう柔軟な危機に備える発想が、企業局や県の中にあってもいいのではないかと思いました。  次に、水道・工業用水道を中心にした更新のための財源です。  先ほど、概略のお話がありましたけれども、本当はどれくらい必要なのか、どう調達するのかについて、もう少し突っ込んだお話をいただければと思っております。  先ほどの報告も併せて、私が今までいただいている情報では、水道事業については、四十数キロメートルで130億円から160億円の財源が必要になる。財源としては企業債を考えざるを得ない。ただ、水道の場合には、毎年の企業債では元利の償還、利息の償還等非常に負担になるということもあるので、毎年の利益と建設改良積立金の取崩しで約半分ぐらいは対処したいということも以前からお聞きいたしておりました。  そして工業用水については、130キロメートル近くで360億円から440億円の財源が必要になると。これは企業債で賄わなければならないということになるようであります。水道、工水合わせて約170キロメートルで、500億円から600億円の財源が必要になる計算になりますが、これをどうやって調達しますか。お尋ねします。 45 酒井水道課長 施設を全て更新しようとすると、今ほど御紹介いただいたとおりの大変な金額になります。時間も非常にかかると思います。その中で、どういった形で財源を調達していくかという調達スピードや修繕するスピードを全てひっくるめて、今回の経営戦略の中で方針が出せればいいと考えています。  私が500億円をどうやって調達するかというのは、なかなか具体的に考えを及ぼすところではないものですから、そういった中で検討していきたいと考えております。 46 菅沢委員 数字は大体間違いないですね。 47 酒井水道課長 これは、先ほど申しました平成26年のアセットマネジメントの数字でございまして、例えば浄水場につきましては、建設当初に要した費用で今回やろうとしたときに、インフレ率を掛けて算出したりして、ちょっと大きめには出ておりますが、今ほど委員御紹介のとおりの数字を考えております。 48 菅沢委員 企業局のこうした建設改良、老朽化対策、更新事業の財源として、いろいろ考えられます。その中に、建設改良積立金というのがあるわけです。水道事業の財源の約半分は、毎年の収益と建設改良積立金の取崩しで見たいという考えが基本的には設定されております。建設改良積立金の財源はどうやって生み出されたものですか。 49 酒井水道課長 先ほど申しました低利な企業債は、最終的には返さなければならないということでございます。国の交付金は頂けるものということでございますけれども、建設改良積立金あるいは低利の企業債は、それぞれ受水者からの利用料で賄うものでございます。 50 菅沢委員 その建設改良積立金の残高は、現在どれぐらいあるのでしょうか。 51 酒井水道課長 令和2年度末で西部水道事業の場合は18億円ぐらいです。 52 菅沢委員 西部水道、上水が18億円ですね。では工水はどれぐらいですか。 53 酒井水道課長 工業用水道事業は32億円でございます。 54 菅沢委員 電気事業の収益も、この建設改良積立金に蓄積されていくのでしょうか。 55 酒井水道課長 電気事業は別事業でございまして、入ってきません。 56 菅沢委員 参考までに、電気の収益がどのような形で積み立てられていくのかは、どういうふうに理解したらよろしいでしょうか。 57 今井企業局長 電気事業の利益につきましては、先ほども説明したように、一部一般会計に繰り出しますが、残りの利益につきましては建設改良積立金の中に積んでおりまして、現在のところ35億円ほどの残高がございます。 58 菅沢委員 上水、工水だけでも60億円をちょっと切るような建設改良積立金がありますし、電気事業の場合も35億円ですから、企業局全体では、100億円には至りませんけれども、皆さんの経営努力の中から生み出されてきている財源なんですよね。ところが、いろいろお話を聞いておりましたら、この貴重な、例えば電気事業の積立金の一部が、らいちょうバレースキー場の不良債務の償還金で貸し付けられている、そんな経過についてもお伺いをしました。  それから、詳しくは確認しておりませんが、上水、工水の建設改良積立金も、貴重な財源として管路の更新に最優先で投資されていかなきゃならないと私は思うのでありますが、そうなっているのかどうか。事業の貴重な収益は、例えば神通工水の不良債務の処理のために使われたり、宇奈月ダムや境川ダムの元利償還、企業債や借入れの元利償還や返済のために使われたりしているのではないかという心配をしています。間違っていればいいのでありますけれども……。  そういう意味で、こうした貴重な積立金財源がしっかりと企業局の管路の更新等、事業の基盤を整備し強化していくためにこそ使われなければならないのではないかと。企業局の過去の、そして現在の負の遺産というか、非常に重荷になっている事業のために、一般会計からの借入れの返済金や、企業債の元利償還の返還のための財源に使われているのは、ゆゆしき事態だと見ています。そういう事実があるのかないのか。事前の通告とちょっと違ってきますが、経営管理課長にお尋ねしたらどうかと思うんだけれども、それでいいですよね。 59 酒井経営管理課長 今ほど、らいちょうバレーのお話がありましたけれども、決して電気事業会計からの利益を充てているというのではなくて、当時、らいちょうバレーを担当していたので、簡単にお話しさせていただきます。  平成18年3月に県営として廃止し、その当時、48億円の債務総額がありましたけれども、らいちょうバレーそもそもが、地域振興や県民のスポーツ振興に寄与してきたということから、一般会計でもそれなりの負担──約2分の1の負担はやむを得ないなという代表質問での答弁もありましたが、当時、企業局として約24億円の負担がございました。  これについては、電気事業のお金を充てるというのではなくて、一旦電気事業からお金をお借りして、その分を、地域開発の駐車場事業で毎年少しずつ返済に充てているというものであります。  先ほどお話しありました水道、工水の事業についても、利益が出たら、まずはそれを建設改良──将来のための自分たちの投資のために充てるものは充てて、余剰があった場合には一般会計への返済に充てるという流れでやっておりまして、他会計の利益で補填するということは、独立採算ということから、できません。会計間の貸付けもあくまで有利子で行っています。 60 菅沢委員 らいちょうバレーも、県の地域開発というか、立山山麓の開発のために、県の大きな一つの事業として位置づけられ、企業局がそこで一定の役割を果たすということになって、それが破綻を迎えるわけですけれども、その経過からしても、責任の度合いというのは県にもあるわけで、ある意味では、富山市や地域にもいろいろ犠牲を強いたわけですが、企業局が半分責任を取るということも、今考えれば課題であったと思っております。  しかも、二十数億円の返済について、企業局が責任を持って、なけなしの地域開発事業から生まれるものをそこに充てたり、資金繰りのために電気事業会計から借入れをするなんていうようなことが行われていることは、企業局というのは、県政の、何といいますか、行き詰まったことの尻拭いと言うとなんでありますけれども、過度に責任を転嫁されてきているという、そういうことを痛感しております。したがって、今ほどの説明はそれでいいんですけれども、構造的な問題、企業局というのは一体何なんだという、そういう憤りを皆さんは持っていいのではないかと思うんです。  あわせて、例えば神通工水ですね。これは破綻したわけですが、神通工水も巨額の企業債残高を持ちました。さらに、一般会計等からの巨額の借入れもあって、企業債はピーク時には99億円。借入れもピーク時には70億円です。この破綻した神通工水の結末というものも、確かに県も一般会計から貸付けなりしておりますけれども、しかし償還については、企業局が責任を持って工業用水道事業の収益というものを、本当になけなしの財源を、この不良債務の処理のために突っ込んできているわけです。責任を持たされてきていると私は思います。  そして今、例えば神通工水の一般会計借入金については、あと53億円残っていて、今は毎年1億円ずつ返していくということになったんですね。償還計画はないようです。一般会計のほうもその辺は大目に見ているのではないかと思いますが、今、神通工水の企業債や一般会計からの借入れの償還ですね、返済の財源は何ですか。 61 酒井経営管理課長 工業用水道事業の附帯事業として、1つには、平成26年だったと思いますが、遊休地を活用し設置した太陽光発電の売上げがまず1つ。そのほかに、平成3年に造りましたゴルフ練習場、これらの毎年の利益を少しずつ充てながら、遊休資産全体を整理する時期を待っていると。今一気に片付けようとしても、解体費や減価償却がまだ残っていて、施設も壊すには忍びないということもありまして、時期を見ながらという形で、当初、知事のほうからもそういう話だったと思いますが、そういうような状況であります。 62 菅沢委員 太陽光とゴルフの収益で、今までの巨額の企業債残高、一般会計からの大きな借入れに対処できたわけじゃないでしょう。工業用水道事業の会計、収支に負担はかかっていませんか。 63 酒井経営管理課長 その負担を少しでも軽減するように、細々と、そういう意味では、全額というのはなかなか返せないんですけれども、少しでも負担が少なくなるように細々と返して、時期が来たら、そういう意味で在り方を検討していくこととしております。 64 菅沢委員 つまり、工業用水道事業の会計にも大きな負担がかかっていることは間違いのない事実です。工業用水道事業は、和田川の導水路の問題もあり、これは上水にも関係しますけれども、複線化が急がれます。老朽化や耐震化の問題で巨額の投資も必要になってくるような状況の中で、なけなしの企業努力で生み出した財源を、自分たちの事業の基盤強化のために使えないで、全部じゃないけれども、かなりの部分を過去の不良債務、神通工水のために投入せざるを得ないというこの構造的な問題、私はそれを問題にしているんです。  これは水道事業でも同じですよ。宇奈月ダムはどうでしょうか。水道は一滴の水の生産もなしに今日に至っております。関係市町村から出資金の協力もないわけです。そういう中で、巨額の企業債の元利償還と維持管理費のために、一般会計からの大きな借入れもありますけれども、その償還は同じように水道事業に大きな負担となっているわけです。構造的には同じです。  境川ダムも、御覧のように稼働資産に切り替えました。境川ダムの元利償還の財源は、基本的には地域住民の水道料金です。そういう形で事業の負債が地域住民の水道料金に転嫁されてしまっているわけですね。  私、何を申し上げたいかといいますと、こうした負の遺産の中から、企業局が今日立ち至っている深刻な、施設の老朽化や耐震の問題について思い切った──「スピード感を持って、大幅な前倒しで」と言ってみても、財源の問題を考えたときに、足かせ手かせがもうはめられていて、思うようにいかないのが現状じゃないですか。  このことをしっかりと分析、総括をして、どういうふうに整理をするのか。旧神通川工水の債務は、全部一般会計で面倒を見てくれと言うべきなんですよ。らいちょうバレーについて、何で企業局が責任を取らなきゃならなかったのかということを、一般会計に対して強く言うべきだった。そんなことも含めて、私は企業局の立場に立って申し上げたいと思うのです。  御理解をいただきたいのでありますけれども、そういう意味では、企業局というのは本当につらい目に遭わされてきたなと、おぞい目に遭わされてきたなという……。私は本当に、一般会計、知事部局の責任は大きいと思っております。その中で、人事はどうですか。今、今井局長は大変苦労なさっていらっしゃいます。公営企業管理者は今いないんですね。公営企業管理者というポストへ天下ってきたみたいな形で、1年か2年でこの問題に対処してくれましたか。彼らは1年か2年仕事したら、昔は出納長でしたが、今は副知事へ昇進していくような人事の構造です。私はそういう意味で、企業局というのは人事面でも独立性をどう持っていくかという、公営企業の在り方の中で検討してもいいような気持ちでおります。  話は進みますが、こうした負の遺産だけではなくて、現在進行中の事業についても、企業局が判断を間違っているということが幾つもあります。  例えば、利賀ダムの工業用水の問題です。利賀ダム建設の中で8,000トン近くを、アロケーションで負担率は0.数%、7億円ほどですね。今、境川ダムにはまだ10万トン近くの工業用水が未利用水であるんです。今、暫定水利権で庄川から取水しておりますけれども、境川ダムの本格水利でちゃんと用意できる水源があるのに、何でこんなことをやっていらっしゃるのか。これは今井局長、物すごく責任が大きいと思います。いかがですか。 65 今井企業局長 今ほどお話もございましたけれども、利賀川工業用水道事業につきましては、砺波地域の産業発展、雇用の確保のために、日量8,200トンの工業用水を供給するものといたしまして、利賀ダムに水源を確保したところでございます。その後、平成12年に砺波市から、誘致企業への工業用水の早急な供給要請が強くありまして、企業局といたしましては、境川ダムに確保しております西部工業用水道水源の一部を暫定使用したところでございます。  この西部工業用水道の境川水源につきましては、日量30万トンの供給能力がありまして、過去に29万トンの供給実績もございましたが、経済情勢の変化などによりまして近年減少して、今ほど御指摘もいただきましたように、昨今、日量約9万トンの余裕水量が生じております。  しかしながら、令和5年度には新たな大口の給水が始まることが決まっておりますほか、今年度、具体的に複数の企業から新規給水、事業拡張の相談も受けております。こうした水需要の拡大にも備える必要がありますことから、現状では余裕水量はありますものの、これを利賀川工業用水道の水源として恒久的に使用する状況ではないということでありまして、利賀ダムによる工業用水を確保することは必要なものと考えておるところでございます。  企業局といたしましては、今後とも、工業用水道の水源の確保につきましては、企業の動向も十分勘案しまして、長期的な視点に立って取り組んでいきたいと考えております。 66 菅沢委員 深刻な経営の実態を踏まえるならば、今のような答弁は作文を読んでいるとしか私には聞こえません。境川にはまだ9万トンの未利用水があるんです。今8,000トン近くの利賀川工業用水ということですが、いくら需要が増えても、それが数万トンに拡大するなんていうことは、今の経済情勢からしても、むしろ節水、省エネの中で水の需要が減っていく社会情勢の中で、水道の場合は、人口減少も含めて、ダウンサイジングが今の企業局における新しい戦略の見直しの要の課題なんですよ。  そういう状況の中で、貴重な11億円の財源を投資して、無駄な水源確保にきゅうきゅうとしている。そういう意味で、思い切った事業経営の見直しなしに、次の経営戦略の展望はないと思っています。  利賀ダムのことは今申し上げましたが、例えばこれは、やれないことはないことですが、未利用水の有効活用について、決算特別委員会の審査報告書にも毎年出ているわけでしょう。ちゃんとした回答がないわけですが、境川ダムには日量11万トンの水道未利用水があります。11万トンの水道未利用水というのは、西部上水道の供給量と匹敵するんですよ。宇奈月ダムには日量5万4,000トンの未利用水があります。これは一滴も生産をされていないどころか、受水団体は出資金にさえ協力していない。俺たち関係ないと、そんな水要らないという姿勢なんです。そういう意味では宇奈月ダムは行き詰まっているわけです、水道事業が。  そういう中で私は、せめてこうした未利用水の有効活用にもっと積極的に、真剣に取り組んだらどうだという提案を以前からいたしております。以前は、宇奈月ダムでは、黒部川の水環境対策で水源を提供して、この10年近くの間に2億3,000万円の収入があったわけで、ダムの維持管理の貴重な財源になっていました。この辺のところを、水事業者としてもっと真剣にやらなければいけないですね。一生懸命、熱心に。そういう道さえなかなか開けないわけでしょう。そういう努力もなしに新たな戦略目標と言ってみても、私はどうも力が入らないような感じがしているわけです。  最後に、電気事業についても少し触れておきたいと思います。  電気事業は企業局の大きな柱の一つでありまして、施設の老朽化などいろいろあるようですが、大きな実績を上げておりまして、収益構造から見ても、企業局のドル箱と言っていいのではないかと思っております。  ただ、企業局のドル箱の電気の事業収益についても、私は企業局の内部でそれを有効活用して、むしろ事業基盤を固めて、新しい事業展開、例えば再生可能エネルギーの導入の促進という中で、小水力も随分努力をされました。今後、地熱発電についてもいろいろ努力をされているようでありますが、なかなか成果が上がらない。そういうところにもっと力を入れることが大事じゃないのですか。  私は、「とやまっ子すくすく電気」なんて言って、社会貢献とか言って、そんな余裕が企業局にあるのかと。県民はそんなことに期待していません。それは一般会計で、知事部局がやればいいことであって、企業局はもっと、企業局モンロー主義で、自分たちの事業の存続と発展のために今何をやらなきゃいけないかという原点に立つべきですよ。なけなしの金をらいちょうバレーに貸し付けなければならないような実態の中で、格好だけつけてもしようがない。余計なこととまでは言いませんが、県民のためのそういう仕事というのは、今井局長、知事部局でもっとやってくれと言うべきですよ。  そういう意味で、電気事業が企業局のこれからの新たな戦略の確立、今後の展望の中で非常に大きな位置を占めると思います。そういう意味で1つお尋ねしておきたいのは、電力の自由化という大きな電力システム改革に伴う流れの中で、北電への売電の問題ですね。これを、ある意味ではもっと自由化するというか、企業局としてはほかの電気事業者にもウイングを広げて、もっともっと商売人になるというか……。  そういう意味では、北電との間の売電契約の期間がありまして、今、2年ごとの単価の見直しの機会になるわけですよね。事業者としてそういう原点に立てないのでしょうか。そういう意味では、将来の売電自由化や単価の見直しの中で、もう少し声を大きくして力を発揮していただく、それが県民の願いでもあるのではないかと私は思っているのですが、いかがですか。 67 今井企業局長 今お話しございましたように、電力システム改革の進展に伴いまして、ほかの自治体の電気事業を見ますと、既存電力会社以外の小売電気事業者と新たに電力供給契約を締結している事業者も10事業者ほどあります。その状況を見ますと、短期的には売電価格の引上げを行うような好事例もありますけれども、既存電力会社との基本契約の解消に伴って多額の違約金を支払うことになったという事例や、契約先が事業撤退して売電料金が回収できないといったような事態も発生しているところでございます。  県としましては、現在、北陸電力との長期受給契約が令和6年度までありますので、それまでは契約を継続していくこととしております。令和7年度以降の電力供給先につきましては、今御指摘もございましたけれども、事業経営の安定に加えまして、県民の皆さんに喜んでいただけるような、地域貢献も行うことが可能な最適なパートナーを選定できますように、一般競争入札やプロポーザル方式といったような、今ほど申し上げた他県の契約の状況などもよく勉強しまして、供給先の候補を広げることについても十分検討していきたいと思っているところでございます。 68 菅沢委員 今、プロポーザル方式というのもありましたけれども、全国的には五、六県でそういうことが進んでおりまして、非常に参考になる事例ではないかとお伺いしました。ぜひそういうものを参考にしながら、新たな経営戦略の見直しの中で思い切って、企業局の一番要のところでありますので、頑張っていただきたいと思っております。  最後に、今井局長、先ほどから経営戦略見直しの関連でいろいろ議論させていただきました。深刻な事態で、スピード感を持って、前倒しでやらなければならない。和田川の隧道の複線化が急がれますよ。これだけ事故や漏水が多発しているんです。全国の例もあるんです。そういう中で、経営戦略の中での厳しい情勢認識は委員の皆さんに共通してあるのでしょうか。  同時に、財源の問題については、あなた方は知事部局に対してもしっかり企業局の立場で意見を言うべきです。何でらいちょうバレーの面倒や神通川の面倒を……これは県政の大失敗、県政の責任なんです。企業局の責任じゃない。押しつけられているということですよ。そういう中からもう少しちゃんと主張を、声を大きくして、企業局としてやはり、企業局としてもそういう中で当面する事業の大胆な見直しが必要だということも提案しました、私は。それは、利賀ダムのことだけじゃないんですけれども、そして様々な積極的な事業展開としては、未利用水の活用なんかのことも申し上げました。  いろいろ申し上げてまいりましたが、基本的には大きな社会情勢の変化、人口減少、産業も新エネ、省エネの時代に入っております。高度成長、いわゆるそういう時代の中から、新しいグリーンな経済の復興、そういう形の方向性も今は追求される時代なんです。そういう新しい時代の中で、企業局は必ず再生できる環境があるのではないかと思います。  そして、やっぱり企業局はプロの集団ですから、皆さんは蓄積されたノウハウを持っておられるわけで、この難局を必ず乗り切っていただけるものと確信いたしております。  そういう意味では、経営戦略の見直しに当たって、まだ中間的な段階ですけれども、一番のポイントは何なのか、そして、委員の皆さんにしっかりと企業局の立場で意見を言って審議いただくという姿勢を堅持いただいて、あなたには、ある意味では中興の祖になるぐらいのつもりで、何でこんな人事をしているのかとか……まあ、あなたが人事をするわけじゃないけれども、それくらいの期待感を持って最後の発言にしたいと思います。  まだ時間はありますが、いつかまたやることにして、今日は私の持論がかなり入ったかもしれませんけれども、何せ、今のままで明るい未来が本当に開けるのか、企業局の職員の顔、目を見ながら、ぜひ仕事してください。お願いします。 69 今井企業局長 いろいろ御指摘をいただきました。  今、経営戦略について一生懸命検討しているところでございますけれども、主なポイントといたしましては、まず施設の老朽化対策、これが御指摘のとおり最も重要であると思っております。さきの工水管の漏水も重く受け止めておりまして、管路の更新計画はしっかり前倒しを図っていきたいと思っております。  また、水道事業では、人口減少にも留意した投資・財政計画も立てまして、安定供給に向けた取組を一層進めたいと考えているところでございます。  また、先ほどありましたが、電力システム改革の対応に伴いまして、電力供給の在り方、新たな地域貢献策もしっかり検討していきたいと思いますし、脱炭素化への要請に応じまして、水力発電所のリプレースに併せた発電電力量の増加や地熱発電事業の推進など、再生可能エネルギーの拡大もしっかりと図っていきたいと思っております。  さらに、IoT等の先端技術も積極的に活用することといたしまして、工水管路への漏水探知システムの導入や、発電施設でのドローンやロボットを活用した巡視点検などによりまして、災害を未然に防止したり、業務の効率化、省力化を図るなど、新たな課題にも積極的に取り組んでいきたいと考えております。  企業局が今後とも時代の変化に適切に対応して、より効率的な経営に努めまして、県民の皆さんの暮らしの向上や産業の振興に貢献できるように、学識経験者など外部委員の皆さんの御意見も伺いながら、具体的な施策や投資・財政計画についてしっかり検討していきたいと思っております。 70 薮田委員長 ほかにありませんか。──ないようでありますので、これをもって質疑、質問を終わります。  2 陳情の審査 71 薮田委員長 次に、陳情の審査に入りますが、今回は付託されておりませんので、御了承をお願いします。  以上で、付議事項についての審査を終わります。  この際、ほかに何か御意見等はございませんか。──ないようでありますので、これをもって委員会を閉会いたします。 Copyright © Toyama Prefecture, All rights reserved. ↑ ページの先頭へ...